1. Home
  2. 協会のご案内
  3. 地積測量図の作成者

地積測量図の作成者


不動産登記法に規定する 「地積測量図」の作製に関する見解(平11.11.10)

日本土地家屋調査士会連合会

不動産登記法では、地積測量図の様式を定め、永久保存とし、これを公開する制度を採るとともに、分筆の登記及び地積の更正の登記等の表示に閑する登記を申請する場合は、地積測量図の添付を義務付けている。
即ち、地積測量図は、登記簿と-体化して各土地の情報を提供することによって、不動産の取引の安定に寄与する重要な使命を持っているものである。
一方、土地家屋調査士は、他人の依頼を受けてこの重要な地積測量図始め、不動産の表示に閑する登記に必要な土地又は測量に関する調査、測量、申請手続等の業を行う唯一の資格者として法定し、その業務の適正を図ることにより、不動産の表示に関する登記手続の円滑な実施に貢献し、もって不動産に係る国民の権利の明確化に寄与することとしている。
土地家屋調査士が業として行う表示の登記や前提となる土地の調査、測量は、現況の境界又は依頼者が指示した境界が、不動産登記法上確定され又は確定されるべき境界(筆界)であるか否か等の高度の法律的判断を必要とするものである。 この調査、測量には、測量技術のほかに、実体法を始め、不動産登記法等の高い法律的素養が要求されるものであり、表示の登記の前提となる調査、測量は、この素養を有している者、即ち、その業務に職責規定を有する土地家屋調査士(公共嘱託登記土地家屋調査士協会(「公嘱協会」)を含む。)以外の者に、業として行わせるべきではない。
土地の表示の登記に関する調査、測量、その結果に基づく地積測量図の作製についての前述の考え方は、地積測量図の使命からして、官公署においても一般私人と何等変わるものではない。 土地家屋調査士以外の者が業として嘱託官公署の補助的立場で測量等を行った場合でも、地積測量図の作製者として署名、押印することはできないにもかかわらず、未だ一部の官公署においては、その理解を得るに至っていない実状にある。 このような慣行が長い登記行政の歴史の中で幾多の問題を派生させ、その教訓が公嘱協会誕生の一因となったことに思いを致す必要があります。
したがって、官公署における表示に関する登記を前提とする調査、測量、嘱託登記申請手続きにおいても、土地家屋調査士が広く活用されるべきであります。 このように、不動産登記法上の境界(筆界)を調査、測量して地積測量図を作製する者は、法律的素養と測量技術を兼ね備えた土地家屋調査士が責任をもって行うことが土地家屋調査士法の意図するところであり、同時に、不動産登記制度に対する国民の信頼を高め、不動産の取引の安定に寄与することになるのであります。



測量士等が地積測量図を作成することは調査士法第19条違反である

《照会》昭和57年6月22日付け日調連総発第90号日本土地家屋調査士会連合会会長
 

土地家屋調査士法第19条該当事項について(お伺い)
測量士等が業として他人(官公署、個人を問わない。)の依頼を受けて、不動産の表示に関する登記につき必要な土地又は家屋に関する調査・測量をすること及び地積測量図等を作成することは、土地家屋調査士法第19条第1項本文の規定に該当するものと解しますが、いささか疑義がありますので何分のご指導を賜りたくお伺いいたします。

《回答》昭和57年9月27日付け法務省民三第6010号法務省民事局長
土地家屋調査士法第19条該当事項について(回答)

本年6月22付け日調連総発第90号をもって照会のあった標記の件については、貴見のとおりと考えます。

◎昭和60年4月19日第102回国会衆議院法務委員会議録
(抄)(法第19条該当事項について)

《質問》 柴田睦夫委員(要旨)
この見解から見ますと、官公署といえども、嘱託登記に際して登記所に提出すべき地積測量図などを測量業者が作製することは、その測量業者について、大体繰り返し行わせるでしょうから、法19条違反の疑義も生じてくる余地があるのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

《答弁》 枇杷田泰助法務省民事局長
登記所に提出する事になるいろいろな書類でございますが、そういうものを作成する、図面をつくるというようなことは土地家屋調査士がやらなければならないわけでございます、本人申請の場合は除きますけれども。したがいまして、そういう仕事を業として土地家屋調査士の資格のないものが受けるという場合には、ただいまお示しの調査士法の19条違反ということになろうかと思います。



地積測量図の作製者についての取扱い

《照会》昭和61年8月25日付け
全公連発第26号全国公共嘱託登記土地家屋調査士協会
連絡協議会会長

 
地積測量図の作製者について(照会)
社団法人公共嘱託登記土地家屋調査士協会は、設立の目的を達成するため、公共嘱託登記事件の適正な処理に努力しているところでありますが、-部の官公署等から、第三者の調査、測量の成果に基づいて地積測量図の作成を要請される場合があります。
その場合、地積測量図に記載すべき作製者については、下記のとおり解しますがいささか疑義がありますので照会します。
 

不動産登記法施行細則第42条の4第4項が地積測量図には申請人のほか作製者が署名押印すべきものとしている趣旨は、その図面の正確性を担保とすることにあると解されるから、その図面に表示された土地について実際に調査、測量した者(官公署等の職員であると、私人であるとを問わない。)が作製者として署名押印すべきである。

別紙甲号
《照会》昭和61年9月1日付け日調連発第104号日本土地家屋調査士会連合会会長
地積測量図の作製者について
(照会)
標記の件について、別紙のとおり全国公共嘱託登記土地家屋調査士協会連絡協議会会長から照会があったので、同協議会会長意見のとおり解して差し支えない旨回答したいと考えますが、いささか疑義がありますので照会します。

《依命通知》昭和61年9月29日付け法務省民三第7272号法務省民事局第三課長
地積測量図の作製者について
(依命通知)
標記の件について、別紙甲号のとおり照会があり、別紙乙号のとおり回答されたの
で、参考までに通知します。